さて、きょうのお題は・・・
「ワイシャツへのこだわり ~洗い編~」
【ワイシャツ洗いのこだわり】
ワイシャツ洗いのレシピというのは、業界ではかなり前から研究し尽くされているので
ある程度、この方法で洗うというのが確立しています。
クリーニング師の教科書にもしっかり載っています。
あとは各店で少し工夫を加えている程度。
ですから、その基準からよほど離れた洗い方をしていない限り
戻ってきたワイシャツの汚れ落ちの程度は違いません。
たとえば洗う時間が短いとか、洗濯液の温度が低いとかだと、確実にウチと差が付きます(笑)
が、そうではなくても、違うところがあります。
【こだわり その1:汚れにあわせて時間調整】
ワイシャツを洗うときは、たいてい組んだプログラム通りに
洗い、すすぎ、のり付け、脱水と洗濯機が自動でやってくれます。
家庭用でも全自動が普及してきましたから、この流れはわかりやすいでしょ?
みんなまとめて洗うこの方法、たしかに楽ですが、ワイシャツの汚れは様々です。
ひどく汚れて黄ばんでいるのもあれば、ほとんど汚れていないものもある。
それを同じ時間、同じ洗剤濃度で洗った時、ひどく汚れているものは汚れが残り
汚れていないものは、そのぶん生地が傷むことになります。
これを汚れごとに分類して洗う時間を調整しているのが、まずひとつ。
洗いの途中で止まるように設定し、残りのワイシャツを入れるという手間がかかります。
たいした手間ではないように思われるでしょうが、この数分の作業が
ワイシャツをきれいに、あるいは長持ちさせる手間なのです。
数分と言っても、年間にすると大した時間になるんですよ。
昔は洗いの途中でいったん止め、汚れがひどいエリやそで口をブラシがけして
また洗う、ということをしていました。
この方法は汚れがひどいワイシャツには、非常に有効な洗い方です。
いまはそれほどひどく汚す人もいなくなってきましたが
逆にご主人にまだ洗わなくていい、と言われて、クリーニングに出せなかったり
(奥様の苦労が見えるようです。)
なかなかクリーニング屋さんに持って行く暇がなくて・・・。
で、やっぱり1~2週間後には、黄ばんでいたり
汚れがよけいひどくなっていたりするんです。
【こだわり その2:毎日微調整】
大きいクリーニング店では、たいていワンショット洗剤を使っています。
ワンショットとは必要なものがすべていっしょに配合されている洗剤です。
家庭で使っている洗剤もワンショットです。
洗剤メーカーごとに配合比率が違うだけで、それほど大きな違いはありません。
カップで測ってザッと洗濯機に放り込むだけなので、楽です。
うちは、洗剤は、日々、配合を変えています。
その日のワイシャツの汚れ具合、量、綿ものと混紡ものの比率を見て
洗剤および助剤の配合を微調整しているのです。
助剤なんてむずかしい言葉、使っちまった。
洗剤の効果を助けるものなんですが、詳しく説明すると・・・
・・・・・・
って、しませんって!
そんなことしたら、タダでさえ長いこのブログから去られそうなので省きます。
とにかく、うちはワンショットじゃなくて、5ショット。
2種類の洗剤と3種類の助剤、あわせて5種類。
多ければいい、ってモンじゃないですが、必要にして十分な種類です。
うっ、数学のトラウマが襲ってきた。
必要十分条件として求められるものをすべて答えよ。・・・・・・
あっ、あ・た・ま・がいたい・・・
く、くるしい・・・
特別なものは使っていません。
家庭用の洗剤に含まれているものが入っているだけです。
ただ、中には単品で注文するのがむずかしいものもあるくらいで。
「コレを注文するのは、えびすやさんくらいです。」と資材屋さんに言われたくらいで
意外と皆さん使っていない。
いいのになぁ。
【こだわり その3:すすぎ1回目はお湯】
洗っているときの水温は、約60度。
手も突っ込めない高温で洗います。
これを濯ぐとき、いきなり水を入れると、繊維が急激に冷やされるので
縮みやしわがひどくなります。
どうも取次タイプのお店にだされたワイシャツのエリや袖口の縮みがひどいのは
これが原因ではないかと思うのですが?
それを防ぐために、すすぎ一回目は40度のお湯で濯いでいます。
わざわざ濯ぎにお湯を使うには、その分ボイラーでお湯にしなければいけませんので
燃料代がそれだけかかります。
あまり大手でやっているところはないようです。
個人店でもここまでこだわってやっているところは、そうないのでは?
【こだわり その4:洗剤分をしっかり中和】
洗剤はアルカリ性です。
いくらしっかり濯いだとしても、微量ですがアルカリ分が残留します。
これを衣類の状態として理想的な中性に戻すのが、中和作業。
濯ぎの最後に行います。
これも行っているところは少ないでしょうね。
【こだわり その5:ボールペンや血液のシミは事前に落とす】
ワイシャツ洗いは、前に書いた通り、60度もの高温で洗います。
このような熱がかけられると落ちにくくなるのが、血などのタンパク質のシミ。
タンパク質は熱がかかると、別のタンパク質に変身してしまうのです。
「変性タンパク質」というのですが、こうなると、おいそれとは取れなくなってきます。
ボールペンやマジックなど色素のシミも、ランドリーの強力な洗い作用で
色素が繊維の奥まで入り込んでしまい、これも取れにくいシミになってしまいます。
こういうシミは洗う前に落とすのが常識。
これらが落ちてこなかったら、洗う前にこういうシミ抜きをしていない証拠です。
また、プレスされた日には、さらに強力な熱がかかっていますから、もっと取れにくいシミになります。
機械仕上げだとしても、こういうシミがついていればわかるはずですが
おそらく目をつぶっているのでしょう(笑)
だって、面倒ですもん。
なかには、ほかのお店で落とせないよう、わざわざしっかりと熱を掛けて返すクリーニング店もある
という話を聞いたのですが、本当でしょうか?
一つ一つは、微々たるものです。
それでも回数が重なるごとに、ワイシャツへのダメージや汚れ落ちは違ってきます。
半袖にしても長袖にしても、保管する期間は半年が普通でしょう。
サラリーマンじゃなかったら、2~3年はそのまま保管されることもあるでしょう。
しっかり保管してくださればいいですが、中には袋に入れっぱなし
部屋の中に置きっぱなし、なんて方もいるでしょう。
いざ着ようとしたときに、返ってきたときはなんともなかったエリが黄ばんでいたり
全体的に黄ばんでいたり、血のシミが取れていなかった、なんてこと、ありませんでした?
どんな保管をしていても保証します、と言うわけにはいきませんが
なるべくそうならないようなクリーニングをしています。
防げるものはすべて防いでお渡ししよう、というのがモットーです。
当店のワイシャツ料金を2~300円いただいているのには、それに見合った作業をしているからです。
それでも、はっきり言って、たいした利益は出ません(泣)
こんだけの資材と手間を掛けて、まるっきりサービス品。
それでも、たかがワイシャツ、されどワイシャツ!
気持ちよく着ていただけるよう、努力は惜しみません。
じつはひげ店長、5,6年前からワイシャツを着てネクタイを締めて集配に出ています。
それまではポロシャツとかカジュアルな格好で来ていたのが
いきなりワイシャツにネクタイですから、最初は
「どこかに行くの?」と聞かれる始末。
それなりの歳になった、ということもありますが
なにより「ウチのワイシャツ、いいですよ!」といくら力説しても
自分で着ていないことには説得力がないじゃないですか。
もうすっかりお客様方も見慣れて、さいきんは「きょうはいいネクタイ、してるわね。」なんて(照)
ワイシャツも目が肥えてきて、高いワイシャツばかりに目がいきます。
おこずかいが・・・。
こんな長いブログを、最後までお読み下さいましてありがとう御座います。
お客様の喜ぶ顔を見るのが大好きなひげ店長でした。
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